you don't know me

意見には個人差が多分に含まれて居り〼

タグ: さだまさし

  • 尺悛

    君は何(ど)の道を歩いて生く?
    僕は人の道歩いて生く
    踏み外す事は人の定めと
    思わずに居(お)られない世の末

    霞行く先の見えぬ物に添(さ)え
    僕とて惑いて心乱せば
    踏み外したるは確かな事とて
    思い至りし道の段(きざはし)

    人間故に踏み外し
    人間故に踏み留(とど)む

    君は省みる事は出来る?
    僕は省みる事は出来る
    只思い出すは人の常だと
    思わずに居(お)られない世の末

    君は思い遣る気持ちは在る?
    僕は思い遣る気持ちは在る
    只角を立てず己が為にと
    思わずに居(お)られない世の末

    壊れ逝く末の世と人の道から
    外れし僕だとて目を凝らせば
    人間は詰(つ)まりそう言う物だと
    思い至りて僕の道生く

    人間故に踏み外し
    人間故に返り来る

    君は何(なん)の道歩いてるの?
    僕は僕の道歩いてるの
    踏み外す事は在るだろうけど
    留(とど)むも返るも人なのだと

    本歌
    さだまさし
    「惜春」

  • 人の生く岸

    向こうの岸は彼の岸辺
    独り或る日思った
    彼処へ往く事さえ出来るの成らば屹度
    静かに此処を見れる

    此処はもう儘に為らないと
    誰かの叫びを聞いた
    皆が何時か人では亡く成って仕舞うと
    何故だかそんな気が為た

    ビードロ細工の人等は
    壊れ易いと解らない儘
    遣りたいなら遣れば善いと思って
    昨日の行いが今日の悲しみを運んで
    遣り直す事も出来無いのに只繰り返す

    此方の岸は生く岸辺
    私は渡り始めた

    此方の岸を歩く人
    彼方の岸も見えない
    皆が此の岸を離れてく其の日迄
    荒らぐ風は止まない

    必ず迎えが来るから
    皆はそんな事も
    忘れて仕舞って只只今許り生きれば
    善いとさえ思って居るの

    ビードロ細工の人の和を
    壊す事さえ厭わず何を
    得られると思ってるのか
    今日の行いが先の悲しみを生み出して
    笑って済まされる程そんな容易い事では無いのに

    忙しく人の生く岸辺
    静かに私見てる

    本歌
    さだまさし
    「坂のある町」

  • 暁鐘

    凩が一筋二筋
    僕の心を掠って
    僕は暗い深淵に落ちる
    仁を仕舞いて最早闇入る
    生き違えて僕は
    次に何か有ればもう
    一体僕は何の為に
    此の世に生まれて来たのだろう
    縁糸も搦んで
    指先の感覚も
    思えば痛くて
    つい目を瞑る
    誰か傍に居たと為ても僕は只
    独り孤独に生きて行く日日を
    此れが僕だと言い聞かせ泣いて居る
    屹度明日は生きられない

    南風一筋二筋
    僕の心を浚って
    僕の暗い深淵に一縷
    光を差し入れた貴方の声
    晦む許りの僕に只
    優しく笑う貴方
    そう僕は貴方の為に
    此の世に生まれて来たのだろう
    縁糸解け
    指先の感覚も
    思い出す温み
    つい目を瞑る
    僕は只誰も見て居なかった丈
    そして独り生きて居ると思ってた
    其れが僕だと解って泣いて居る
    明日も生きられるだろう

    今は貴方が其処で見て居て呉れてる
    機嫌に任せて貴方を翻弄為ても
    何れが僕でも良いと貴方は言う
    屹度僕は生きて行けるだろう

    参考元
    さだまさし
    「晩鐘」

  • 修羅疫

    世は憎し
    人は何の気無しに責む
    人の側に
    此の世酔ひ季の浮き世
    彼れは修羅の人
    善悪に揺らいでる人
    糸を貸し己を助けて呉れ
    切にと乞い願う

    人は晴れ
    情け亡く為て生き過ぎる
    其の人は
    のらりくらりと為
    物言う吾は神
    誰も彼も跪けと
    人を見下げつつ我も解らず
    人の様な痕を遺す

    はしれる人此の浮き世生きる人
    跡はかなき此の憂き世何処へ行った

    苦労為ず
    一つ覚えで楽を為れば
    人の中
    情け育たぬ御仁
    行き方添えも知らず
    生き方をも知れず仕舞う
    誰か殺し乍ら次は自分と
    隠るる人の息の根も

    逃げ生す
    人は常に背を向けつつ
    痛み感じぬ人
    五体満足
    物申す人は
    軈て蔓延る蕁麻の
    口悪怯れず誰も彼も刺す
    世は酔い人は業

    強る人に弛ぶる此の浮き世は
    壊る毀る強る此の憂き世毀る
    強る人に弛ぶる此の浮き世は
    壊る毀る強る此の憂き世毀る

    本歌
    さだまさし
    「修二会」

  • 霧の中

    鈍さをも知らず 歩き行く僕は
    静かに哭いて逝きます 痕形無く
    遠くで人等の変わり行く様を
    何気無く見て居たら もう…
    辛くも為ります さあお終いです
    失くして今を生く 人等が癒えない
    僕は正面です 本当は嘘です
    癒えない心を 読んで下さい

    生きて良いのか 死ねば良いのか解らない
    恨み辛みで生きて行くのも遣る瀬無い
    獣道 其の先は 何が待つ 霧の中

    薄情な人の かけてゆく心
    今の世は其れも 当たり前だと言う
    カラカラと笑う 過ぎ去る人等に
    苛立つ自分が哀しい
    考えもせずに 勝手な見方で
    疑いもせずに 自分が正しいと
    簡単なのです 生きるには其れが
    首絞めて居るのに 誰も気付かない

    生きる為なら 誰も蹴落とし生くでしょう
    過ぎたとしても 当たり前だと言うでしょう
    責め立てて 省みず 仕舞って 下さい

    ほんの少しの 情けだけでも良いのです
    ほんの少しの 我慢だけでも良いのです
    獣道 其の先は 何が待つ 霧の中

    本歌
    さだまさし
    「桐の花」